オーダーメイドと既製品の金モールエンブレム(西洋紋章/クレスト)
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お客様がデザインされた金モールエンブレムを製作するお手伝いをさせて頂いております。
ここでは、ヨーロッパで生まれたワッペンまたはエンブレム(西洋紋章)の解説を致します。
極めて簡単な解説ですが、お客様がデザインされる参考になりましたら幸いでございます。
この他にも肩章、階級章、襟章、袖章、勲章、帽章(帽子徽章)なども製作致します。

オーダーメイドの金モールエンブレム
エンブレムのオーダーメイドは、こちらから
金モールエンブレム
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◆西洋紋章(エンブレム)EMBLEMの基礎知識◆
 最初に、紋章は古来エスカッシャン(楯)などに描かれたもので、今日の金モールエンブレムは正式な紋章にはあたりません。正式な紋章は、それを見るだけで持ち主の社会的階級、職業、戦歴、領地、嫡子、非嫡子、性別、功績などの履歴が解るほどの非常に複雑なデザインのものです。
13世紀以前、紋章は、王族、貴族、領主の階級で使用されていたようです。しかし、13世紀に入ると、中小の貴族階級の誰もが紋章を持つ様になったといわれます。そのころからナイト(騎士)や聖職者、女性、都市、職人、職業組合などが次々に紋章を使用し始めました。ノルマンディやイングランド南部では農民までもが紋章を使用していました。
金モールエンブレム
クラウン(冠)は、王族や貴族が使用し、その形状の違いで階級の違いを表していました。ヘルメット(兜)やランブルカン(外套)は、ナイト(騎士)が使用し、ナイト(騎士)以外の者がそれらを使用することはなかったようです。また、ヘルメット(兜)の形や色、どの方向を向いているかでナイト(騎士)の階級を表し、ランブルカン(外套)の破れで激戦を経験した勇者であることを表現した、ということです。ヘルメット(兜)の上にあるクレスト(兜飾)は、親から子へと受け継がれる血族の象徴として使用され、リース(環状飾)によってヘルメット(兜)に固定されています。
エンブレムのクラウン しかし、17世紀以降、エスカッシャン(楯)の上に配置された多くのクラウン(冠)は、ヘルメット(兜)と同じく装飾的意味合いを濃くし、所有者の称号、地位、社会的階級を表すものではなくなりました。近世の紋章理論書は、男爵、伯爵、侯爵などのクラウン(冠)を厳密に分類していますが、今日ではクラウン(冠)の使用はまったく自由です。しかし、今でも王族や貴族の血統を受け継ぐ方々のソサエティには、古来のしきたりを守った紋章が存在するようです。
エスカッシャン(楯)の両サイドに描かれるサポータ(楯持)には、人間、動物、植物以外にも柱などの無生物も使用されています。サポータ(楯持)は、デキスタ(左側の楯持)が上位でシニスタ(右側の楯持)が下位といわれます。
ヨーロッパの紋章に、しばしば使用されるのが、ライオンとイーグルの徽章ですが、12〜15世紀のヨーロッパの紋章を調査したところ、イーグルは南ヨーロッパ、特にイタリア、ギリシャに多く見られ、ライオンはドイツとその周辺に多く見られる傾向があることが解ったそうです。
これはイーグルの徽章が皇帝支持派に用いられた事に対して、皇帝の敵対勢力が皇帝への敵意を示すという意味でライオンを用いたのではないかと推察されています。
エンブレムのエスカッシャン エスカッシャン(楯)は紋章の中心部分にあって、これこそが狭義の紋章をになう部分です。その起源は、戦闘や騎馬試合での個人識別のために用いら-れた単純な幾何学図形のデザインであり、これが紋章の基本スタイルとなっています。しかし、時代と共に紋章の構成は複雑化し、エスカッシャン(楯)を数多くのクォータリー(枠)に細分化して、血縁、婚姻関係、領地、称号などを追加していったのです。ご参考までに記述しますと、ヴィクトリア女王の大紋章の様に、256のクォータリー(枠)に細分化してしまい、判読できなくなった例もあります。
ここで紋章の最も主要な規則は、色の使用に関するもので、使用される色の数は金色(黄)、銀色(白)、赤色、黒色、青色、緑色の6色です。それらの色はグループ1(金色、銀色)と、グループ2(赤色、黒色、青色、緑色)に区別され、同一グループに属する2色を並べたり重ねたりはしない。
例えば、エスカッシャン(楯)の地の色が銀色(白)であった場合、そこに描かれるライオンは、グループ2の赤色、黒色、青色、緑色の何れかであって、決して金色(黄)、銀色(白)であってはならない。
しかし、動物の舌や爪などの細部に関しては例外もある様です。
紋章には文字も書き込まれています。中世末期以降から、紋章にモットー(銘文や家訓など)を書いたスクロール(飾枠)やバンドロール(帯状飾)が付け加えられる様になります。今日の金モールエンブレムにあるリボン内の文字は、この名残なのでしょう。
■悪魔の紋章
ドラゴン、蛇、カエル、猿、といった悪魔的とされる生物など、欧州では縁起が悪いとされる図柄もありますので、ご自身でデザインを考えられる場合はご注意下さい。
 
以上の様な歴史的事実が積み重なってできあがった紋章のデザインは、それなりの意味があるのです。これらの紋章に関して、日本ではイングランドやスコットランドの様に法的に保護されてはいません。商標登録などすれば別ですが、紋章は特権階級だけのものではなく、広く万人に開かれたものです。但し、他人の紋章を横取りするのはタブーです。
最後に、このサイトに記載した内容以外にも、歴史のある紋章には様々な決まり事や、シンボルには言われや意味などがあります。それらをこのサイト内で列記することは、あまりにも多くの情報量である為に不可能なことです。下記に、このページをつくるのに参考にさせて頂いた書籍をご紹介致しますので、詳しくは書籍をご覧下さい。

参考書籍 :
ミシェル・パストゥロー著/松村剛監修 紋章の歴史(創元社)
森護著 ヨーロッパの紋章・日本の紋章(河出書房新社)
この他に、ウィキペディアの紋章(エンブレム)に関する記述も参考になると存知ます。
 
エンブレム